

音の醸し人コンサート vol.5 2025 夏
「醸す」とは、麹に水を加えて酒、醤油などを醸成するという意味とともに、また、ある特定の雰囲気、空気感を現出させる、という意味もあります。音楽もまた醸されるもの。伝統への尊敬と革新への渇望。酒作りと音楽作りには様々な共通点があり、しかもそんな酒蔵には、音楽をより魅力的に響かせる、優れた音響特性を持った場所が数多くあります。この夏は、1702年創業の奈良大宇陀の老舗酒造「久保本家酒造」の築300年の酒蔵にて、エンタデュケーター(enterducator)®の作編曲家、レジェンドミュージシャンである西脇辰弥が、 3人のピアニストたちによるスペシャルなコンサートをお届けします。今回は「ある特定の情感、景色を想起させる音楽」をキーワードに、クラシック音楽や映画音楽のナンバーをピアニストであるメンバー全員が複数の楽器を操ることで、様々な形態で音楽を醸成させていきます。
「東の野にかぎろひの立つ見えて、返り見すれば月かたぶきぬ」
過去を慈しみつつ、未来に対峙していくポジティブな心情を、夜明け間近の刻々と変化していく天空の姿になぞらえたスケールの大きなこの歌は、万葉集に収められた柿本人麻呂によるもの。「久保本家酒造」がある奈良県宇陀市松山は、現在重要伝統的建造物群保存地区。古来より薬の町として知られており、町中には老舗の酒蔵、醤油蔵、和菓子屋などのほか、最近では町家を生かしたカフェやレストラン、等の店も増え、伝統とトレンドが交錯するパワースポットとなっています。久保本家酒造の日本酒の奥深い魅力に触れながら、この場所で
しか醸し得ない特別な音楽体験をお楽しみください!
久保本家酒造:https://kubohonke.com/大願寺: https://daiganji-yakuso.com/
大宇陀エリア: https://www.uda-kankou.jp/kankomap/oudaSchedule & Ticket
We'll see you there!
8/17 (SUN)
エンタデュケーター(enterducator)とは
エンタデュケーター(enterducator)®とは entatainment と educator を組み合わせた造語で、あらゆるツール、メディア、パフォーマンスを駆使して、より楽しく芸術の細部の世界への学びを提供する人という意味です。
「芸術は細部に宿る」と言いますが、我々音楽家は、誰にも気づかれないようなこだわり、アイディア、表現等を作品の中に潜ませています。そのことによって作品はより深みを増し、さらに魅力的なものになると考えています。
「そんなこと知らなくても音楽は楽しければいいじゃないか」とおっしゃる方も多いと思います。しかしながら、そんな細部に宿ったものには、我々が後世に伝えていかなければならないもの、感性、技術、思い、といった大切なものが詰まっていたりします。
そんな芸術の細部を楽しく学ぶことができたら、大好きなアーティストたちの思いに、より深く寄り添うことができたら… 音楽の中に、今まで聴こえなかったような音が聴こえ、当たり前だと思っていた音がより輝きを増して胸に迫ってくるはずです。
西脇辰弥
出演
西脇辰弥 Musical director. key. harm.
音楽プロデューサー、作編曲家、ピアニスト、クロマティック・ハーモニカ奏者。6歳よりクラシック・ピアノ、10歳より作曲を始める。大学在学中にプロ活動を始め、1987年にCBS SONY(現SONY RECORDS)よりアーティスト・デビュー。これまでに3000曲以上の作品に携わる。シンセサイザーの名手でもあり、楽器の開発から、その演奏法の開拓へのプロセスが多くのプロミュージシャンから高い評価を得ている。またトゥーツ・シールマンスにも絶賛された独自のハーモニカのトーンで、国内外問わず数々のアーティストと共演。その功績が認められ2005年、日本ハーモニカ大賞受賞。多忙な音楽プロデュース業の傍ら、多彩な楽器編成、アレンジにより古今東西様々な音楽の魅力を伝えていく活動を積極的に行っている。2021年度NHK FMで1年間にわたり放送された「ディスカバー・クイーン」では、エンタデュケーター(enterdukator)®として、月2回の「クイーンズ・クロニカル」を担当。これまでになかった独自の視点での深堀り解説が好評を得る。2022年9月、リスナーの熱望により、番組が書籍化。「ディスカバー・クイーン THE BOOK」として刊行される。
スペシャルゲスト: 久保順平(蔵元) cello
久保本家酒造11代目蔵元
株式会社久保本家酒造代表取締役
1961年奈良県生まれ。84年金沢大学経済学部卒、同年大和銀行(現りそな銀行)入行。87年ロンドン赴任、預かり資産8兆円のファンドマネジャーとして活躍。証券アナリスト取得。94年12月、33歳で大和銀行を退職し家業へ。大手酒造メーカーの下請け的な役割から自社ブランド開発に舵を切る。生酛造りを導入し、完全発酵・長期熟成のオリジナル純米酒の商品化に成功、300年続く老舗の改革として話題になった。SAKEの魅力を全世界に伝えるため尽力している。ニックネームは「セロ弾きのにゴーシュ(にご酒)」。小川多美子 : vo.pf.
大阪芸大演奏学科ピアノ専攻卒、奈良県大宇陀出身。
小学校高学年で和音が好きなことに気づき、中学時代にピアノ弾き語り、高校時代に作詞作曲、大学時代にキーボード&コーラスとしてバンドを始める。
卒業後、伝説のプログレバンド「ブラックページ」で、旧姓の久保多美子名でサポートでvoice担当。
(そのおかげで変拍子は結構好き)
現在はボイストレーナーとして後進の指導に当たり、ゴスペルチームのディレクターも務める。
ボーカル、コーラス、キーボードとして、コーラスグループUNdeco(アンデコ)、同じくコーラスグループSVQ、自己のバンドTammy's、その他諸々で活動中。石川まぎ: pf. vo.
ジャズピアニストとして18歳でプロデビュー。
自身が作編曲をつとめるユニット「シンフォニー宙」を結成し、自然の彩りを描くオリジナル曲を収録した
「星降るほたるの谷」「そらめぐり」「雫とベル」「アルコイリス(虹)」をリリース。
さねよしいさ子、サキタハヂメ等多数のアーティストのCDに編曲・演奏で参加。
小編成からフルオーケストラまでの管弦楽曲を得意とし、2013年にはアメリカの大学から合唱曲とオーケストラの作曲依頼を受け渡米し初演。2017年高山右近列福式のオーケストラ演奏においても編曲を手掛けるなど、国内外で幅広く活動してる。Contact us
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